そしてまたスターバックスにいる
昨日溜池山王のスターバックスで思索に浸る甘美な気分を味わい, そしてまた今日もスターバックスにいる。
「デートのお誘い」と称して彼氏が誘ってきたので, また向かいには彼がいる。「日記を書いているんだね」とニヤニヤしている。煩いその通りだ。
もし, 今日ここにいなかったら私はチキンのトマト煮込みを作る予定であった。本日指定の荷物を取り逃がしたヤマト運輸さんには申し訳なさしか感じない。しかしながら, 「デートの誘い」と言う言葉はあまりにも魅惑的だったのだ。それが, 定時30分前の憂鬱な時間に発せられた時は余計に。
今日はランチに女子会に誘われた。私の胃が悪く, 食道にカビが生えているらしいということで, うどんになった。はなまるうどんである。
弊社のプロフェッショナルはなまリストは, はなまるうどんの天ぷら回数券を購入し, 毎日かけうどんと天ぷらを食べていた。
女子会である。私がそこに呼ばれた理由が, 食道にカビが生えるほどに体調を崩していることを心配されたからだという。
「自炊はしているんですか？」と私を誘ってくれた同僚は聞いた。私は自炊している。ほぼ毎日のように晩御飯を作っている。あるいは「寝ている？」10時半には就寝している。
つまり私は超健康であってしかるべきなのだ。
「そうですかじゃあ、本当に仕事のストレスなんですね」と彼女は笑った。450円の卵入りうどんを買って「失敗した。かけうどんが正解なんですね」と言いながら。
毎日自炊できる程度に早く帰れて生活できるのに何が不満なのだろうかと思う。ここ数ヶ月私はただ, 生きるためと割り切って働いていた。バイトみたいなものだ。20代前半にキャバクラでバイトしていたのと同じ。ただ, それよりはずっと健全で社会保障が整っているという程度のこと。
ただ, たまにひどく我慢がならなくなる。それは, 意味がないと感じることをしなければならなかったり, 失敗するように見える方向に進まなければならなかった時で, 本当に我慢がならない。
最近, コンサルに転職したいという相談を立て続けに受けた。たまたまだが, どちらも大手金融の正社員だった。私とは比較にならないほどの給与と福利厚生を軽く捨てるその心意気は理解できなかった。しかしながら人間は, やはり「何やってるんだろう」という心の叫びに耐えられないのだと思う。
日曜日の午後に
日曜日の午後,上野恩賜公園を散歩し, 溜池山王のスターバックスに来た。 ガラガラとは言えないものの, 席には余裕がある。彼もPCに向かっており, 私は私で, 趣味のデータ入力を行っている。やはり, 土日に行くならオフィス街のカフェ だなと改めて思う。 今日から私は日記をつけることに決めた。 そのきっかけとなったのは下記のブログである。
私が鬱病との診断をうけたのも, 大学2年のことだった。
私の親もまた, 私が精神科にかかることをひどく嫌がった。精神科の待合室で, 抗鬱薬のポスターを見ながら感じた絶望は今でも覚えている。そこの近くの観光名所の桜は満開で, 私にはひどくそれが恐ろしく見えた。私はその当時, 早く1日が終わることをただ望むばかりだった。
引きこもって, 社会復帰して, また引きこもって。その何度目かのループの中で, 有る時日記を書くことを勧められた。当時の彼氏, カウンセラーを名乗る怪しい男だった。 私はPCを持って四条大橋の脇のドトールで, 毎日のように日記を書いた。大学（その時すでに大学院生だった）にはいくのをやめていて, ただ, 毎日東京への引っ越し資金を貯めるために祇園のクラブでバイトする毎日だった。
詳細に, 毎日何があったのか, 何を思ったのを書いていった。日記は日に日に長くなり, 描写は日に日に詳細になった。
治療のために日記を書くというのはよく聞くことだ。そのままエッセイストになった女性を私は知っている。
大学院を出て, 社会人になっても鬱と寛解, あるいは鬱と躁を繰り返しながら生きている。周りに比べて, そのせいでなにもかもうまくいかないような気分になることはよくある。鬱の時はいつも絶望する。働けもしない。起き上がれもしない。その度仕事ができなくなる。そろそろ社会人としては限界に近い。それでも, やめられないのは気質的異常と, 同時に私は安定しない自分が嫌いじゃないのだと思う。
今日, 開けた場所に行きたいねと言って上野恩賜公園を散歩した。日差しは刺すように暑く, 人が山のようにいて, 疲れてさっさと退散した。去年彼と付き合う前にも, 上野でデートをした時の話をした。あの店にいったね, 下見をしていたんでしょう？もちろんだよと。付き合いたい人がいたとして, わざわざ下見に行くまっすぐさにやはり驚く。なんて素直な人なのだろうと思う。そして, 今自分が明るい世界にいることを感じる。四条大橋の脇のドトールにいたときよりも, 溜池山王のスターバックスにいる今の方が幾分か健康になった。
それでも彼は言う「精神を強くするんやで」と。
久しぶりに日記を書くことに私は決めた。今の自分を記録するために, そして, 多分また沈みそうになる自分を鼓舞するために。
