ゆるふわOLの日記

元激務系・現9時5時OLの日記

ダンケルクをTCXで見てきた件について

昨日公開されたダンケルクを早速日本橋で鑑賞した。見終わった後, いろいろ調べてIMAXにすれば良かったと後悔したのだが, TCXだった。音響と大きめの画面があれば良いとの判断である。映画館は苦手だったが(閉所恐怖症)だってクリストファー・ノーラン監督の新作である。だってそんなの映画館以外で見る選択肢ないでしょ!!ということで, 初日に映画館まで馳せ参じたわけである。結果として行って良かった。もう一回見たい。できればIMAXで, と思っている。

 

ノーラン監督のお家芸

クリストファー・ノーランの作品は大体見たが, SFであろうとサスペンスであろうと, 2つの特徴があると思う。ダンケルクもこのお家芸が遺憾なく発揮されていた。

  1. 点と点が繋がる

    インターステラーインセプションがわかりやすいが, 複数の時間軸で物語が進み, 個々の時間軸の人たちの行動がクライマックスに集約される映画だ。もう何本も見ているファンなら, ダンケルクがビーチに取り残された陸軍兵士の1週間, ドーバー海峡を渡ってダンケルクに向かう民間人の1日, 空軍パイロットの1時間が描かれるとわかったオープニングで「どうせ最後にみんな出会うんでしょう」と感じたはずだ。それは普通にその通りになるのだが, しかしながら時間軸がつながった瞬間のカタルシスといったらない。

  2. ハラハラするシーンを音楽で魅せる

    バットマンシリーズ, 特にダークナイトに顕著だが, 「これでもか」というほどに危機が訪れる。しかも, それらの危機はいちいち爆音と薄気味悪い音楽で煽られる。インセプションもそうだ, 3階層に別れて戦っているために, 3種類の危機が絶え間なく襲う。ダンケルクにおいても, その技量は遺憾なく発揮されていた。いつもの煽るような気味悪い音楽と, ドイツ兵の爆撃が何度も何度も陸軍兵士を襲う。それだけでなく, 空軍のパイロットの機体は燃料計が壊れているし, 海に出た遊覧船では事故が起きる。常に観客は危機にさらされる。途中から, 息がつけなくなり, 鼓動が早くなるのが自分でわかった。それだけでなく, 気分が悪くなってポップコーン臭に吐き気がした上に, 見終わったあとぐったりと疲れた。ストレスを与えられ続けた実験動物さながらに, 生体の危機センサーが発動していたようだ。

映画としての新しさ 

ダンケルクの登場人物は徹底的に匿名だ。当たり前だが, 本人たちには区別がついているんだろうが(「近衛兵の列だからでていけ」とか「お前はハイランダーじゃないから仲間じゃない」と言うセリフがあるし, 空軍パイロットは名前で呼び合っていた)観客からは区別がつかない。ただの1兵士, 主人公ですらクレジットを見て「お前名前あったのか」と驚くくらいだ。 彼らは全く過去を語らないし, 心情を吐露しない。それがどうしようもなくリアルだ。

主人公トミーが浜辺に着いたとき, ドイツ軍の空爆を受ける。浜辺に順序良く爆弾を落としていって, 兵士たちはただうずくまるだけだ。観客は, 当たるかもしれないと感じる。彼は主人公だから当たらないが, 現実には単なる確率でしかない。一定の確率で死に, 一定の確率で生きる。戦場で生きるか死ぬかは運でしかなく, 自分が生き延びられるように祈るだけで精一杯だ。

彼らは, 誰でもない誰か, 誰かだったかもしれない誰かである。匿名の人として描くことは映画としては珍しい。しかし, それは観客を巻き込むにあたって, 効果的に機能している。

その他雑感

イギリス人紅茶飲み過ぎ

イギリス人って, 本当にいつでもどこでも紅茶飲むんだなと思った。救助に来た船の中で紅茶とジャムパンが振舞われているのを見て, まじかと思った

パイロットの衣装が紅の豚

パイロットが着ているジャケットも, 酸素マスクも革製で茶色い。これ, 紅の豚で見たやつだと思った。最近だと, ジャケットは化学繊維だし, マスクはプラスチックですよね。あの鉄うちつけただけの戦闘機(本物)がチャチイがゆえに惹かれる。状況の記録メモ帳に書いているし超アナログで, いつ落ちるかはらはらする。ジブリの宮崎監督の戦闘機好きもわかる。

最後にトム・ハーディーが持っていく

最後にかっこいいのずるい。

歴史を知っているほうが面白い

終わった後はまりすぎてダンケルクについて調べていたが, このあたりを読むとわかりみが増えて良い。

www.asahi.com

 

ダイナモ作戦 - Wikipedia

ハイランダー - Wikipedia